「存在とは何だろう~存在論の本質~」を公表します。
この論文は、社会と組織の哲学の出発点となる「拡がる自我」の理論を補強するために書き始めたものです。ここしばらくは、自分の社会保険労務士の仕事を通じた社会と組織の実務に役立つ論文を執筆していましたが、今回は久々に、哲学それ自体といった論文を仕上げました。
「拡がる自我」は、以前ここのブログでもお話ししましたが、自分の若い頃からの人生経験を基に築き上げてきた私独自の概念ですが、言うまでもなく様々な哲学の文献にも影響を受けて確立したものです。
今回触れた西田幾多郎の純粋経験もそうですが、フィヒテの絶対自我やヘーゲルの精神現象学、ハイデッガーの存在論、カントの物自体やアリストテレスの形而上学、さらには、仏教の龍樹の空の思想や中国の孔子の論語の思想など、影響を受けた哲学の文献は数え切れません。様々な書籍を読みながら、これはもっともだとかこれはおかしいとかいろいろ考えて自分の理論を作り上げてきたわけです。哲学する営みで、最も大事なのは、あくまでも自分の言葉で哲学理論を創造することだと常に思っています。
今回も古典的文献以外に多くの研究者の方々の論文にお世話になりました。特にいつも参考文献で挙げている岩崎武雄氏の論文には感謝しています。ご自身の言葉で本当にわかりやすく書かれているすばらしい哲学論文だといつも思っています。
また、今回初めて参考文献に掲げましたが、竹田青嗣氏の「現象学入門」も、初版が並んだ当時本屋で偶然見つけた記憶がありますが、ご自身の言葉で大変わかりやすく現象学を論じたもので、とても刺激を受けた一冊です。
今回は「存在」を論じましたが、次回は「自由」という概念を論じたいと考えています。ご期待ください。