分割の論理と創造の論理」を公表します。

前回公表した「論理の本質」では、論理とは何かということをその形式面から検討しましたが、今回はその内容、すなわち論理の実質面を検討しました。人々が他者に投げかける論理は様々な内容が考えられるのですが、その内容を、分割と創造の二つの極から整理したものです。

純粋人間関係とは何か」でも申し上げましたが、もともとこの発想は、若い頃の歴史の研究から得た私なりの結論、すなわち、中世の封建社会を特徴づけるのは身分という言葉で表現される人間観であるのに対し、近代社会を特徴づけるのは労働価値説に代表される人間観である、との理論に基づいたものでした。しかし、その後の長年にわたるサラリーマン生活の経験を踏まえ、身分を重視する分割の論理と労働を重視する創造の論理は、社会と組織に普遍的に内在するものではないかとの考えに至ったのです。今回の論文では、その考えを理論的に明確にすることを目指したわけです。

そして、現在は社会保険労務士の業務を通して、分割の論理と創造の論理は、人事労務管理上、極めて有用かつ重要な概念だと考えるに至っています。

今回もいつもと同様哲学的な文章になってしまいましたが、経営者の方々との面談や、社員研修などでこの独自の考えをわかりやすく表現し、実務に活かしていきたいと考えています。