半年ぶりに仕上げた論文、「善と正義」を公表します。

この論文は、以前から挑戦したかった倫理学を対象とするものです。言いたいことはたくさんあったのですが、その一部に限られてしまいました。何しろ奥が深く、基礎理論を確立させるだけで精一杯でした。

ただ、基礎理論とはいっても、「拡がる自我」を出発点にしたもので、自分独自の極めて特殊な理論なので、執筆にはかなり苦労しました。その意味では、やっと仕上げて、今心地よい気分に浸っているところです。

今回も多くの文献にお世話になりました。特に、カントの「道徳形而上学の基礎づけ」は、初めて通読したこともあり、自分の拡がる自我の理論を確信させるもので、久々に大いに感動する内容でした。また、加藤新平著「法哲学概論」も、学生時代から愛読しているものですが、本当に頼りになる本だと実感しました。いつも参考文献に挙げている岩崎武雄氏の本も、御自身の理論をはっきり打ち出すもので、とても勉強になりました。岩田靖夫著「倫理の復権」も昨年初めて読みましたが刺激的な内容に釘付けになりました。もちろんその他の参考文献に挙げた本すべてに感謝したいと思います。

今後は、自分が若い頃から考えている倫理上の様々な論点について論文を書いて、問題提起していきたいと考えています。自分が哲学に興味を持つきっかけになった、問題意識を論じていきたいと思います。

また、善と正義の問題は、自分の社労士の業務にも密接にかかわってくる理論なので、今回学んだことを実務にしっかりと生かしていきたいと思います。もちろん、あくまでも実務の根底においてですが・・・。